「ストラテジー&リサーチ・リテラシー」第10回講義を行いました

 2021年11月29日(月)に「ストラテジー&リサーチ・リテラシーゼミ」(担当教員:西尾尚子・林靖人・勝亦達夫)の第10回講義が行われた。
 今回の授業テーマは「フィールドワークの振り返り」と「地縁コミュニティについて考える」の2本立てだ。

|フィールドワークを振り返って

 授業の前半は、先週行われた塩尻市でのフィールドワークの振り返りを行った。振り返りでは、各班で考えた理想のコミュニティを軸とする“構え“を基に、塩尻市のコミュニティの様子を共有し、理想と現状のギャップや問題点について議論した。フィールドワークで多くの班が向かった先として塩尻市市民交流センター『えんぱーく』が挙げられたが、他にも『塩尻総合文化センター』や起業家が集う『スナバ』などに足を運んだ班も見られた。また全体で「場所によってコミュニティの活発さに差がある」「施設などの環境が整うことで活動がしやすくなる」「宗賀地区では最もコミュニティを感じやすい」といった意見が出された。フィールドワークを通じて、各々がコミュニティに対して考えを深めることで、全体での議論も活発化していたように思う。


|地縁コミュニティを考える

フィールドワークを終え、授業の後半では地縁コミュニティについて考えた。まずは、私たちが持っている地縁コミュニティがあるかどうか問いかけられた。受講生の4割程度の人があると答え、自治会やマンションの大家さんとの交流などが挙げられたものの、地縁コミュニティを持っていないと答える人も多かった。次に、地縁コミュニティを活性化させるべきかという問いに対しては、3割程度の人が活性化した方がよいと回答し、理由としては犯罪抑制につながるからとのことだった。一方で、2割程度の人が活性化する必要はないと回答し、無理に活性化させようとすることで、住民の対立を招くといった意見も挙げられた。総じて、活性化自体には賛成だが、コミュニティに関心のない人やネガティブな印象を持つ人に対し、どうアプローチしていくかが課題であると感じた。

 授業の最後には、塩尻市役所の方から地縁コミュニティの活性化の必要性をお話をいただき、地域共生社会についても考えを深めることができた。国の制度として、以前までは縦割りや個別でセーフティネットが提供されていた。しかし、今ではそういった関係を超えた『住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域を共に創っていく社会』、つまり地域共生社会が重視されている。それを受けて塩尻市は今、塩尻市は『確かな暮らし 未来につなぐ田園都市』を目標に掲げ、塩尻市での地域共生社会を実現させようとしているようだ。そして、それには地域につながりのある土台が必要であると仰っていた。私たちストラテジー&リサーチ・リテラシーゼミは、どうすればこの土台を築き上げていけるかを考えていく必要がある。


|最後に

 明確な“構え”を作って臨んだフィールドワークを経て、私たちはさらにコミュニティについて考えを深めることができているように感じる。次回からはロジックモデルについて取り扱うようなので、あらゆる方法や角度から考えを深めていきたいと思う。

writer: 教育学部 現代教育コース1年
ストラテジー&リサーチ・リテラシーゼミ受講生
浅川 雄亮